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ケース自動倉庫とは?種類の違いと荷姿によるトラブルを防ぐポイントを解説

2026.08.28

ケース自動倉庫

ケース自動倉庫とは、段ボールや樹脂コンテナに入れた商品をケース単位で立体的に保管し、入出庫を自動化する設備です。多品種少量の商品を扱う流通業やEC物流を中心に導入が広がりました。

ただし、方式によって処理能力も費用も大きく変わる設備です。荷姿が原因で設備が止まるという、導入後に判明しやすい問題もあります。

本記事では、ケース自動倉庫の種類とメリット・デメリット、荷姿によるトラブルや既存倉庫へ導入するときの制約までを解説します。倉庫の自動化を検討する際の材料としてお使いください。

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ケース自動倉庫とは

ケース自動倉庫は、段ボール箱や樹脂コンテナ、トレイに入れた商品を、ケース単位でラックへ格納する設備です。パレット単位で動かす自動倉庫より1つあたりの荷物が小さいため、細かい単位で保管と出庫を制御できます。

扱う荷物が軽く小さいぶん、入出庫の処理能力を上げやすい点がケース式の長所です。多品種少量の商品を大量の注文へ振り分ける流通業やEC物流と相性が良く、部品や仕掛品を扱う製造現場でも使われる設備です。

工場では、材料や完成品をパレット式、部品や仕掛品をケース式というように、両方を並べて役割を分けることもあります。パレット式の特徴や選び方については、別の記事で詳しく解説しています。

ケース自動倉庫の主な種類

ケース自動倉庫は、代表的には、次の4つの方式があります。処理能力と保管密度、費用のどこに重心を置くかで選ぶ方式が変わるため、まず全体像を確認しましょう。

方式 ケースの運び方 強み 向いている条件
ミニロード式 通路をクレーンが往復する 実績が多く費用を抑えやすい 保管量が多く、出庫頻度は中程度
シャトル式 各段の台車とリフターが連携する 出庫の処理能力が高い 短時間に出庫が集中する
ロボット昇降式 ロボットがラックを昇降する 保管密度と拡張性を両立できる 出荷量の伸びに合わせて増やしたい
キューブ式 格子状に積んだ箱を上から吊り上げる 非常に高い保管密度を実現しやすい 使える面積の制約が厳しい
  • ミニロード式
  • シャトル式
  • ロボット昇降式
  • キューブ式

ミニロード式

ミニロード式は、ケース自動倉庫でもっとも普及している方式です。ラックのあいだの通路をクレーンが往復し、コンテナやトレイを出し入れします。

構造が単純で導入の実績も多いため、費用と保守の見通しを立てやすいです。一方、1つの通路に対してクレーンが1台のため、出庫が集中する時間帯には処理が追いつかないこともあります。出庫の波が小さい現場から検討してみましょう。

シャトル式

シャトル式は、ラックの各段に台車を配置して同時に動かす方式です。取り出したケースを垂直リフターが受け渡すため、クレーン1台が処理の上限になる構造から抜け出せます。

出荷前の荷揃えのように、短時間へ処理が集中する工程で効果が出ます。ただし台車とリフターの台数がそのまま費用に直結し、保守の対象も広がる方式です。必要な処理能力を数値で出してから台数を決めてください。

ロボット昇降式

ロボット昇降式は、自律走行するロボットが自らラックを昇降してケースを取り出す方式です。床を走るロボットが必要な段まで登り、水平方向にケースを引き出します。

ロボットの台数を後から増やせるため、出荷量の伸びに合わせて処理能力を調整しやすい方式です。通路を走る大型のクレーンが不要なぶん、レイアウトの自由度も高くなります。段階的に自動化を広げたい場合の選択肢になります。

キューブ式

キューブ式は、専用の箱を格子状のフレームへ隙間なく積み上げる方式です。上部をロボットが走行し、必要な箱を真上から吊り上げて作業ステーションへ運びます。

通路をほとんど作らずに済むため、保管密度は4つの方式のなかでもっとも高くなります。一方、下の段の箱を取り出すには上に積まれた箱をどける動作が必要です。深い位置にある商品ほど取り出しに時間がかかるため、出庫頻度の高い商品を上段へ寄せるなど、配置の設計まで含めて検討しましょう。

ケース自動倉庫を導入するメリット

ケース自動倉庫は、品目数の多い在庫を扱う現場ほど効果が出やすい設備です。保管と出庫、作業の3つの面から利点を整理します。

  • 多品種の商品を高い密度で保管できる
  • 出庫の処理能力を高めやすい
  • ピッキングの歩行時間をなくせる

多品種の商品を高い密度で保管できる

ケース自動倉庫は、品目数の多い在庫を高い密度で保管できます。1つの間口にケース1箱を収める設計のため、パレット単位よりも細かく在庫を分けられるからです。

そのため、アイテム数が数千から数万におよぶ倉庫でも、通路を減らしながら保管量を確保できます。取扱商品が増え続けている現場や、季節ごとに品目が入れ替わる現場で効果が出やすくなります。

出庫の処理能力を高めやすい

出庫の処理能力を高めやすい点も、ケース式の利点です。荷物が軽く小さいため、装置を高速で動かしても荷崩れが起きにくいからです。

方式によっては複数の装置を同時に動かせるため、注文が集中する時間帯にも対応できます。当日出荷や翌日配送を求められる現場では、この処理能力によって生産性の向上が期待できるでしょう。

ピッキングの歩行時間をなくせる

ケース自動倉庫の導入によって、ピッキングのために歩行する時間自体を削減できます。必要なケースが作業者の手元へ運ばれるGTP(Goods To Person)の仕組みを組み合わせることができるからです。

GTPとは、商品や商品を収容したケース・棚などを作業者のもとへ搬送する仕組みであり、作業者はピッキングのために棚へ移動する必要がありません。

作業者が定位置にとどまれるようになると、移動の負担が減るだけでなく、商品の取り違えも起きにくくなります。仕組みの詳細は、GTPとは?物流倉庫の省人化を実現する自動棚搬送ロボットの仕組みと導入効果もあわせてご覧ください。

ケース自動倉庫のデメリット

導入の判断では、費用の幅と運用上の制約も押さえておく必要があります。ここでは3つの観点から整理します。

  • 費用の幅が大きい
  • 荷姿の制約を受けやすい
  • 停止すると出荷が止まる

費用の幅が大きい

ケース自動倉庫の費用は、方式・規模によって異なり、数千万円から数億円規模となるケースもあります。同じケース自動倉庫という名前でも、想定する予算が一桁違う点は最初に押さえておきましょう。まず必要な保管量と1時間あたりの出庫数を出し、そこから方式を絞ると見積もりを比較しやすくなります。

荷姿の制約を受けやすい

ケース自動倉庫は、荷姿の制約を受けやすい設備です。装置が扱えるケースの寸法と重量が、あらかじめ決まっているためです。

規格外の大きさの商品や、袋物のように形の定まらない荷物は、そのまま格納できません。自動倉庫へ入れる商品と人手で扱う商品を分ける運用も含めて、設計しておきましょう。荷姿にまつわる具体的なトラブルは、次章で取り上げます。

停止すると出荷が止まる

設備が停止すると、出荷そのものが止まります。ケース自動倉庫は出庫の中心を担うため、代わりに人が取りに行く運用を残していない場合が多いからです。

倉庫に複数の設備が入っているなら、上位のシステムで作業を振り替えられる構成にしておくと、影響を一部にとどめられます。保守の体制と、復旧までにかかる時間の目安も契約前に確認しておいてください。

ケース自動倉庫で起こりやすい荷姿のトラブル

ケース自動倉庫では、荷姿も設備停止の原因となる要素の一つです。導入前に想定しておきたい3点を取り上げます。

  • 段ボールの変形で設備が止まる
  • サイズが混在すると移載できないことがある
  • コンテナへの詰め替えを前提に設計する

段ボールの変形で設備が止まる

段ボールの変形は、ケース自動倉庫が止まる原因のひとつです。湿気を吸って柔らかくなった箱や、底が膨らんだ箱、蓋が浮いた箱は、装置が想定する形状から外れるためです。

装置のツメが箱を突き破る、移載の途中で荷崩れする、センサーが異常を検知して緊急停止するといった事態が起きます。輸入品のように輸送中の環境が読めない商品を扱う場合は、とくに起こりやすくなります。

サイズが混在すると移載できないことがある

サイズの異なる箱が混在すると、移載できない場合があります。ケースをつかむ装置にはいくつかの方式があり、対応できる荷姿の幅が変わるためです。

箱の底をすくい上げる方式は構造が単純な反面、寸法のばらつきに弱くなります。側面を挟み込む方式なら大きさの違う箱にも対応しやすくなりますが、そのぶん費用はかかります。取り扱う箱の寸法を一覧にしてから、装置の対応範囲を確認してください。

コンテナへの詰め替えを前提に設計する

荷姿がそろわない場合は、コンテナへの詰め替えを前提に設計しましょう。入荷した商品を規格化された樹脂コンテナへ移してから格納すれば、装置が扱う荷姿を1種類に固定できるためです。

詰め替えの工程を1つ増やすかわりに、設備の停止を大きく減らせます。ただし入荷時の人手は増え、コンテナの保管場所と洗浄の手間も発生します。停止による損失と詰め替えの工数を比べて判断してください。

既存倉庫へ後付けするときの制約

新築ではなく、既存の賃貸倉庫へケース自動倉庫を入れる企業も増えています。建屋の条件によって選べる方式が変わるため、契約前に確認しておきましょう。

  • 天井高によって選べる方式が変わる
  • 床の耐荷重を確認する
  • 地震時の荷崩れ対策を設計に含める

天井高によって選べる方式が変わる

天井高は、選べる方式を決める条件になります。賃貸の物流施設では有効天井高5.5メートル以上を標準とする物件が多く、高さ10メートルを超えるラックは組めないためです。

高さを取れない建屋では、低い高さでも密度を出せるロボット昇降式やキューブ式が候補になります。梁下の有効高さは物件ごとに異なるため、図面で実際に使える高さを確認しておきましょう。

床の耐荷重を確認する

床の耐荷重も、契約前に確かめておくべき項目です。物流施設の標準は1平方メートルあたり1.5トン程度ですが、自動倉庫は狭い範囲へ荷重が集中します。

ラックの脚が接する部分にかかる力は、床全体の平均値では判断できません。設備メーカーから荷重の計算書を取り寄せ、建物側の条件と突き合わせてください。補強工事が必要になる場合は、その費用も見積もりへ含めておきましょう。

地震時の荷崩れ対策を設計に含める

地震への対策も、設計の段階から含めておきましょう。高く積み上げたケースは揺れで飛び出しやすく、復旧に時間がかかるためです。

ラックを建屋と連結して揺れを抑える工法や、揺れを検知して装置を自動停止させる機能が用意されています。物流施設の標準仕様は、もともとフォークリフトと固定ラックの運用を前提に決められています。そのため、自動化に必要な条件は建物の基本スペックとは別に確認しておきましょう。

まとめ

ケース自動倉庫は、段ボールや樹脂コンテナに入れた商品をケース単位で保管し、入出庫を自動化する設備です。ミニロード式、シャトル式、ロボット昇降式、キューブ式があり、処理能力と保管密度、費用の重心はそれぞれ異なります。

導入で見落とされやすいのが、荷姿と建屋の条件です。段ボールの変形や寸法のばらつきは設備の停止につながるため、コンテナへの詰め替えまで含めて運用を設計しておきましょう。既存の倉庫へ後付けするなら、天井高と床の耐荷重によって選べる方式が絞られる点も押さえておいてください。

弊社では、扱う商品や建屋の条件を伺ったうえで、COOOLa WESを使った設備と作業の統合運用をご提案します。複数の方式が混在する倉庫でも、上位から指示を配分することで全体の流れを整えられます。

この記事を読んでいる方へ

設備連携の要件、まず無料で確認できます

既存WMS・設備構成を伺ったうえで、COOOLa WESで対応可能な範囲を簡単に説明します。

この記事の監修者

山川 隆一

山川 隆一

やまかわ りゅういち

株式会社ブライセン AI・DXアクセラレーション本部 副部長

COOOLa WES立上 YardFlow(トラックヤード制御ソリューション)立上) AI駆動駆動モダナイゼーションサービス立上
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